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HYPNOTICな日々。。

活字中毒・旅好き・食道楽でヲタな日常。。

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07/21

Sat

2012

記憶を辿る旅再び。。



江戸末期、土佐に金蔵とという名の絵師が居た。

髪結いの息子だが絵が上手く、江戸へ出て狩野派を学び、土佐へ戻ってからは土佐藩家老のお抱え絵師となり若いうちから名声を手にした。
絵師の金蔵だから、絵金、と呼ばれるようになったそうだ。
しかし周囲のやっかみからか?金儲けの為に利用されたか?贋作を売ったという身に覚えのない疑いをかけられ、名声も地位を失い野に放たれた。
その後数年の足取りは不明で、親戚を頼って土佐の赤岡に戻ってきてから唯一無二の芝居屏風の世界を作り上げていった。

現代だと芝居と云えば演劇全般のように思う方も多いが、本来、芝居とは歌舞伎のことを指す。
歌舞伎の演目をざっくり分類すると、元々が歌舞伎の為に書かれた作品と、能や狂言を書き変えた『松羽目物』、人形浄瑠璃を直した『丸本物』が ある。
絵金が好んで描いたのはこの『丸本物』で、御家騒動、恋愛のもつれ、呪った、殺した、祟った等の人間の本性・怨念・因縁でドロドロ、血飛沫は散るわ生首は転がるわ。。そういう生々しくて艶めいて毒々しい芝居絵。
使う絵の具は泥絵の具と呼ばれ、色がハッキリしていてマットだから見た目の印象が重い。特に赤岡の近くから採取される鉱石で使ったという赤は『血赤』と呼ばれ、禍々しいまでの血潮の色。
屏風を大切に保管してきた土地の人達の努力の賜物で、今でもそれらの色彩が劣化していないという。

注;
この芝居屏風5点を熊本美術館に貸し出した際、不適切な殺虫薫蒸により絵が変色するという事件が2010年に起こっている。
高知新聞の記事参照→ http://www.kochinews.co.jp/ekin/index.htm




『芦屋道満大内鑑 葛の葉子別れ』


その本物の芝居屏風のほとんどを1年に2日間だけ、夕暮れ時から家の軒先に出して蝋燭の灯りで見せる祭りがある。
それが絵金祭り。
この祭り自体は昭和50年代から始まったものだが、今年は絵金生誕200年記念で数々のイベントがあると聞いたので、行く!と決めたのが3月。

絵金を知ったのはもう10年くらい前で、2006年に一度赤岡の『絵金蔵』に来ているが(一番上の画像は絵金蔵の収蔵品カタログ。初版)、そこに展示されているのはレプリカで、絵金の描いた本物ではない。
一度本物を見てみたい、と思っていたから渡りに船。
人形浄瑠璃も、歌舞伎でも丸本物を観るのが好きで演目を知っているだけに、カタログの写真だけでは満足出来なくなって南国土佐までやって来た。

関東は涼しかったのにこっちはやっぱり暑い~っ。


たった今、はりまや橋を越えたところ。
間もなく高知駅に着く。
まずはホテルに荷物を預けて、絵金と再会する旅の始まり始まり。。


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重症の活字中毒患者にして
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本屋巡りが日課。。というか
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