バブル時代を知る者なので、その象徴とも云えるボジョレーヌーボー世界最速解禁日の狂乱的なイベントの様子はTVで見たことがある。
ボディコンにロングソバージュヘアのおねぇさん達を侍らせた靴下ナシ革靴直履きの石田純一がギロッポン辺りで解禁日の深夜0時にルンルン☆していたというイメージ(注:死語多数含む)。
若い頃はアルコールに弱いから呑めないと思っていたし、それを遠い世界の蛮行を見るような眼差しで眺めいたものだった。
そこから年を経ていつの間にかお酒好きにキャラ変した後も毎年ボジョレー解禁を遠くから冷ややかに見守ってきた。
と、云うのも。
お酒は芳醇旨味を好むのでフレッシュさだけが売りの今年の新酒=ヌーボーは、飲んで美味しいと思ったことが無い。
ブーム最高潮の時に奢りで飲んだボジョレーヌーボーが「水を飲んだ方がマシ」レベルだったという味覚の記憶と、数年前の「ボジョレーではなくボージョレが正しい」とか今更云い出したのと、毎年の発表されるキャッチコピーの意味の無さで『不味いのに気取ってるワイン』というマイナスイメージが先行して毎年ノータッチで来た。
なのに何故今年は飲んでみようと思ったか?
それは数年掛けてじわりじわりと尻つぼみになってはきていたが今年はあまりに話題になっていなくて、これなら逆に日本向けのナメたワインが減って美味しいのが手には入るのでは?と思ったから。
そうは云っても解禁日の20日が過ぎてすぐに買いに行くのもなぁ等とぐずぐずして、横目でスーパーの特設棚などを見つつスルーして数日後、意を決して(大袈裟)、いつもきちんと美味しいお酒を薦めてくれる某デパ地下のお酒売り場へ行き、オススメを訊く。
「ヌーボーはあまり飲まないので」と云ったら一番安いスクリューキャップのをどうかと云われ「一応ソムリエナイフは持ってますよ~」と返したら店員さんがニヤリと笑って「個性的ですが、現地の人も買いに行くワインです」と薦めてくれたのが画像のワイン。
ヴィスーというワイナリーの『2014ボージョレ・ヌーボォ レ・ルグリット』。
瑞々しく果実味があり、若いのにバランスも取れていて複雑な味わい。ビィンテージ物には無い、若いのにやるじゃない!という感じの面白さがある味わい。
ただ若い赤ワインは渋みも尖っていて、少しそれを調整したくてマイヤーレモン(レモンとオレンジを掛け合わせた、見た目レモンで酸味が少なく甘味もある果物)をワンスライス浮かべてみた。
うん、正解。
思っていたより遥かに美味しい。期待値が低かったのを除いても、美味しくゴクゴク(新酒は軽いので水感覚で)アッという間に呑んでしまった。今回はハーフにしたけれども次回はフルボトルにしよう。
とは云えお祭り気分で買っただけでボジョレーヌーボーは1年に1本でいいから、また来年の話。
鬼も大笑いだな(笑)
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