先日、高倉健さんが亡くなった。
健さんが出演した映画云えば、最近のだと『鉄道員』とかあの辺りの穏やかな役の映画を思い出す人の方が多いと思うが、自分の場合は『網走番外地』の若くてギラギラしている頃の姿や(リアルタイムで見ていたんじゃないよw)、あとは『ブラック・レイン』の定年間際の警部補役。
このブラック・レインが東宝系列の映画館で開催中の『午前十時の映画祭』で期間限定で上映中、しかも近所の映画館で観れると知り、休みなのに早起きして出掛けてきた。
この映画が上映された当時友人達がハマってしまい、大阪までロケ地巡りに行った記憶がある。
言わずもがなだが友人達は松田優作のファンで、イケオジ好きの自分にはほぼ健さんしか見えていなかったから微妙~な温度差はあったが(笑)その時の年末の大阪に数泊して路地裏をうろつき回ったり通天閣にも初めて行った後、京都へも泊まっておけら参りからの初詣でまでしてきた、しかも初めての関西方面への個人旅行は楽しかった。
当時の友人達(高校時代の)とは疎遠になってしまったけれど、あんな旅は若かったから出来たと思う。
あぁ若さって、無謀←結構アブナイ所へも行ったと後から知った(笑)
そんな思い出もある映画ブラック・レイン。
実はDVDを持っていて健さんの訃報を知った日にも一度見ている。でも大画面で観たくて、結果、観に来て良かった。
SF映画『ブレードランナー』で新宿を近未来的サイバー都市化してみせたリドリー・スコット監督の描く大阪は実にいかがわしく雑多なアジアンテイスト(実際ロケは香港で行われていたりする)で、20年近く経た今見ても世界観は褪せていない。
そして、何度目でもマイケル・ダグラス演じる正義感に溢れていて有能だけどオールクリーンではいられないポリスマンに市場の片隅の食堂でうどんを啜りながら警官としてのプライドの置き場所を訥々と語る健さんの、硬い感じの英語で泣ける。セリフよりもあの喋り方と目の演技が心に響く。
初登場時の蕎麦を掻き込む姿も、最初の頃の2人のアメリカ人ノリに巻きこまれてアワアワしている演技も好きだけど、市場食堂のシーンが一番いい。
ってな感じで上映当時絶賛された松田優作のことなど眼中に入ってこないくらい松本警部補(健さんの役名)と若山富三郎のヤクザの大親分の黒い雨語りシーンで萌える映画。
※あくまで個人的な感想です。
涙目で出てきて劇場売店で昔むかしのブロマイドを見たら買いそうになってしまった。
流石に東宝、任侠役でギラギラしていた頃の高倉健のものばかり。
最近の落ち着いた役ばかりではなくて、今はこんなでも若い頃は人も殺ったこともあるというタダ者ではない雰囲気を秘めた役をやって欲しかったな。アルプスの少女ハイジのおんじみたいな、って例えはどうかと思うかそんな感じの。
秘められた激情や狂気を感じさせて、朴訥で、実は下ネタも好き、且つ、1人の女性を思い続けたというのも漢っぽくて、健さん好きでした。
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