今回DOLLSサイトで“嘘”を題材にした話を書いたので、その続編
のタイトルをつけるに当たって、この『嘘、そして沈黙』の原題、
“Lie to Me”
を拝借。(“Lie to me”としましたが←細かすぎて伝わらない?笑)
『嘘、そして沈黙』(扶桑文庫)はサイコホラー物。
真っ白な表紙に字だけ、というシンプル且つ美しい装丁でありなが
ら、内容はぐちょぐちょ。。グロいし、サイコ度高くて相当怖いし。。
猟奇ダメな人は最初から近付かない方が良いでしょう!というシロ
モノ。
1992年刊行で、その頃は「羊たちの沈黙」の大ヒットでサイコホラー
物全盛期だったなぁ。。と、
ちょっと遠い目をしちゃうくらい昔の本。
でもとっても印象に残っている、お気に入りの1冊。
何故印象に残ったか?と云うと、この手の作品群の中では群を抜い
て主人公のキャラが立っていて(人間嘘発見器ことテディ・キャメルと
いう渋い刑事)、怖いだけでもグロいだけでもない所が面白かったか
ら。
『羊たち~』もただグロくて精神的にぐ~っと恐怖が襲ってくるだけ
じゃなくて、レクターの哀愁とかクラリスと周りの人の駆け引きとか、
そういうのがあったからこそヒットしたワケで、この『嘘、そして~』
もそういう別サイドの話がしっかりしているところが良かった。
でもこの続編の『過去、そして惨劇の始まり』は最初の方の殺人場
面があまりにグロすぎて、気分悪くなって挫折。。
こんな事、夢野久作の『人間腸詰』以来無かったのに。。(^-^;;
以来、この作者の本には手を出していない。
で、原題“Lie to Me”。
なんでこのタイトルなの?というくらい関係無いように見えるのだけ
ど、最後の最後でこのタイトルの重要さが分かるという、とても鮮や
かな仕掛に「参りましたっ!」。
かなり凄惨な場面だけど、目から鱗が取れたように感動してしまっ
た記憶がある。
多分原文だと
“Lie to me!Please lie to me!!”
になるんだろうけど、これをタイトルに使って、しかも
『嘘、そして沈黙』
という邦題を付けるなんて天晴れ!!と感服。
こういうタイトルを一度でいいから付けてみたい。。
(タイトル付けるのって難しくて。。文章書くより時間がかかる)
かなり昔の本だけど、まだ絶版にはなっていないハズ。
『レッド・ドラゴン』も『ハンニバル』もダメだったけれど『羊たちの沈
黙』は好きだったなぁ。。と云う人(それは私。。)、
面白いサイコホラー物って無いかな?と思っている方、興味のある
方にはオススメ。
確かこの年の『このミス』にもランクインした作品なので。
でも最初に書きましたが、猟奇系ダメな方には薦めません。
読み進んで最後のクライマックスで
「あ~!それで“Lie to me”!」ぽんっ!←手を打った音(笑
してみて欲しいな。。(^.^;;
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