09/28
Mon
2009
乾は今、とある老健施設で働いている。
昨日は夜勤で、夕方から午前中までの勤務。
途中で2時間の休憩が取れることになっている。
その間に仮眠をするのだが。。
仮眠の為のベッドや部屋というモノは無いので廊下のあちこちに設置されているソファ等、
適当な所に身体を横たえてしばしの休息を取る。
昨晩は、ある部屋に空いているベッドがあった。
2人部屋で、唯一の入居者は外泊中。
じゃあそこで寝てるから。。と、
一緒に夜勤の人達に告げてそこに横になった。
ケータイでメールを打って送り、うとうと。。と、しかけた時、
ぴちゃんっ。
左を下に寝ていた顔の真横で、水の跳ねる音。
ぴちゃんっ。
続いて頭の真後ろで水が跳ねる音と。。。。。
飛沫が肌に掛かってくる感覚。
この部屋にはトイレが付いているが、
壁で区切られた向こうにあってベッド側は濡れない。
建物は3階まであって、ここは2階。
ここ久しく雨など降っていないし、上の階では水漏れ等起こりようが無い。。
寝返りを打つ。
反対側を向いたら寝苦しくて余計眠れない。
再度寝返りを打って、最初と同じ格好に戻る。
また、うとうと。。と、しかけた時に、
。。ぴちゃーんっ。
雫が生じて、砕ける。。
ぴちゃーん。
濡れている。。ハズの肌は、乾ききっている。
寝返りを打って、今度は仰向けに。
脳だけ冴えたような状態のまま眠れず奇妙な足音だけ聴き続ける事となり
、
結局元の体勢に戻るハメになった。
ぴちゃん。 ぴちゃん。
ぴちゃん。 ぴちゃん。
規則正しく。。リアルな質量と音と感触を持って繰り返す。
それはまるで、
浅い水溜まりの上を歩いている足音のよう。。だ。
近くも遠くもならず。
しかしこの音は確実に“歩んでいる”と、
後で考えれば何故か分かっていた様な気がする。
金縛りになっていないのは、
こちらに気付いていないから?
それともそもそも害意が無いから?
ならば意識を手放してしまえば開放される。。
努力空しく覚醒と睡眠の狭間を漂い続けて、
休憩時間が終わった時は疲労困憊。
そして朝の6時過ぎ。。
あるおばぁちゃんがあちこち覗き込みながら廊下を歩いていたので
夜勤の相棒がどうしたの?と声を掛けると、
「今日はいっぱい来てたね」
何がですか?
「人がいっぱい。ほら、そこにも、あそこにも」
私達にはな~んにも見えないんですが。。(汗
他の部屋に行ったら別のおばぁちゃんが、
窓の外に向かって手を合わせて拝んでいたので何してるの?と声を掛けると、
「今日は兵隊さんがいっぱい来てる。ほら、あそこを通ってる!」
窓の外は高速道路の高架橋と、まだ始業前の工場。
この方は元々霊感が強くて、他人とは違うモノが度々見えているらしい。。
「なんか来てるのかな?気持ち悪いね」
「なんだろう~?」
その場はそんな相棒さん達の呟きを聞き流し、
仕事が終わった後で休憩中にあったことを告白。
皆に怖がられたけれど。。
一番キツかったのは私だー!!!
見えないのに、聴こえる、感じる。
こんなハタ迷惑な霊感要らないっ(泣
いつの間にか。。